2021年06月28日

プラ(ABS)の接着

プラスチック(ABS)製の台車のブレーキがあり、組み立てる必要があります。
普段、プラスチックを接着することが少なく、化学が苦手なので、どのような接着剤が適当なのか分からず、いくつか試してみました。
ブレーキ.jpg

ブレーキ組み立て.jpg
金型の都合で、梁とブレーキは別部品となっており、接着する必要があります。
梁の凹部にブレーキの凸部を入れることで仮組みはできます。
接着剤は流し込みができるものが望ましいです。

接着剤成分感想
田宮流し込み.jpg
酢酸ブチル
アセトン
付属の刷毛が適度の大きさで塗りやすく、接着強度も問題ありませんでした。
今回試した中で最も扱いやすかったです。
 アクリサンデー.jpg二塩化メチレン
接着強度は申し分ありません。
付属の注入器に接着剤を入れて接着剤を流すのですが、今回の接着では一滴でも量が多く、流れすぎてしまうという問題がありました。
面相筆等を使用する必要があるのかもしれません。
 ロックタイトプラスチック.jpg
アクリル樹脂
酢酸ブチル
アセトン
成分としてはタミヤセメント(流し込みタイプ)にアクリル樹脂が追加されたようなものです。
ちょっと粘度が高く、流し込むのはきついかもしれません。
接着強度は問題ありませんでした。
 ロックタイト瞬間接着剤.jpgシアノアクリレート
かなり粘度の小さい瞬間接着剤です。
接着強度は問題ありませんが、瞬間接着剤の常で、接着剤が指に付くとくっついてしまうので、扱いが面倒です。
 mrhobbysp.jpg
メチルエチルケトン
アセトン
酢酸エチル
接着強度は特に問題なさそうです。
ただ、タミヤセメント(流し込みタイプ)速乾とほぼ同じ成分のようなのですが、タミヤは速乾タイプをABSの接着に使えると言っていないのが気になります。(速乾でない方は公式にABSも接着可とのこと)

インターネットを検索するとこの接着剤がABSに使えるとしているところが多いのですが、ABSに使うと割れることがあると言っているところもあるのが気になります。
 タミヤABS用.jpg
 酢酸ビニル共重合体樹脂
アセトン
メチルイソブチルケトン
酢酸n-ブチル
シクロヘキサノン
ABS用と称する接着剤ですが、接着強度は低く、簡単に外れました。
粘度も高く、流し込みができません。
今回の件では使い物になりませんでした。
 リモネン.jpgD-リモネン
試験する前から結果は分かっていましたが、ABSに対して全く接着できませんでした。
posted by よしひろ at 17:29| Comment(1) | TrackBack(0) | 接着

2021年06月09日

車輪の振れ2

客車用のスポーク輪軸を50本試作しました。
前回は組み立て途中の物を1本だけ測定してみましたが、完成品のサンプルを10本にして測定しました。
測定器の最小目盛は2μmですが、5μm単位で測定しています。
測定.jpg本来はピボットの先端で受けるのでしょうけど、都合により、軸の片側を旋盤のコレットでチャッキングし、反対側は芯押し台に付けたコレットにボールベアリングを取り付けてピボットの斜めの部分を押しています。

 面振れ(μm)芯振れ(μm)
 絶縁車輪導通車輪絶縁車輪導通車輪
平均24293935
最大40456050
最小5101010
芯振れの方が大きいのが意外でした。
今回は、輪芯をタイヤに圧入後、軸穴にリーマを通しただけなのですが、一旦旋盤のバイトで軸穴を旋削した後にリーマを通すべきかもしれません。
この程度の振れでは、脱線することはないと思いますが、もう少し精度を上げたいと思います。
タグ:測定 車輪 輪軸
posted by よしひろ at 16:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 輪軸

2021年06月02日

車輪の振れ

客車用の輪軸を試作中なのですが、どの程度の精度で組み立てられたか確認してみました。
比較として車輪メーカ製の車輪の振れ精度も測定してみました。
車輪メーカ製の車輪の面振れは20μm前後、車輪の芯振れも20μm程度でした。
今回試作の車輪の面振れは20μm強、車輪の芯振れは20μm程度でした。
車輪の芯振れに関しては、旋盤のチャックの振れも加わっているので実際にはもう少し小さいのかもしれません。
試作品の振れは10μm以下にしたいところなのですが、車輪メーカ品と大差がないので、まあ、これで良しとしたいと思います。
posted by よしひろ at 17:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 輪軸