2021年09月30日

試験用輪軸

結局、今回の試験に使用する輪軸は3種類作製しました。
前回の牽引負荷試験では、既にあるものを使用したため、複数の条件が異なっていましたが、今回はできるだけ条件が異なるのは一つだけになるようにしました。
但し、時間的、経済的理由により条件の違いは完全ではありません。

試験用輪軸.jpg左から輪軸1、輪軸2、輪軸3とします。
以下の条件違いとなります。
条件輪軸1輪軸2輪軸3
踏面形状円錐円弧
タイヤ材質洋白 ステンレス
※車軸は全て同じ図面で同じ外注先による同じロットのものを使用しています。
※踏面形状は円錐と円弧に分類してありますが、それ以外にフィレット半径(円錐:R0.25 円弧:R0.275)、フランジ形状も異なります。
※輪軸1、輪軸2は黒ニッケルめっきが施されていますが、ある程度走行するとめっきが取れて金属地肌が出てくるため、めっきの有無は条件の違いとはしていません。
※輪軸1と輪軸2の洋白は同じメーカ製とは限りませんので、微妙な違いがあると思われますが今回は無視します。
※円弧踏面は同じ図面ですが洋白とステンレスで加工依頼先が異なり、微妙な違いがあると思われますが今回は無視します。
※輪軸は1軸毎に誤差がありますので、今回は10輛46軸を使用した試験とし、それぞれの誤差による影響が測定値としては平均化されることを期待しています。
posted by よしひろ at 15:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 輪軸

2021年09月28日

ステンレスタイヤ

比較試験のため発注していたステンレスタイヤができてきました。
タイヤ.jpg
左が洋白製、右がステンレス製です。
材質以外は、図面上は全く同じですが、外注先の違いもあり、微妙に違っています。
洋白製のは踏面の外側の傾斜部分に切削痕が少しありますが、その他はピカピカに仕上がっています。
ステンレス製の方は少しつやの無い仕上がりです。
この2種類のタイヤを同じ図面で作製した輪軸に付けて客車の牽引負荷測定を行いたいと思っています。
はたして、どれ位の差が出るのでしょうか。
posted by よしひろ at 21:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 輪軸

2021年09月24日

輪軸製作

ようやく、φ9.8輪軸ができあがりました。
結構頑張ったつもりですが、3軸台車で35輛分程度しかありません。
今回のは、洋白タイヤですが、同形状でステンレスタイヤのも作製し、比較試験を行う予定です。
輪軸1.jpg
これで全部です。
200軸以上あります。
黒ニッケルめっきですが、黒の色味がなかなか揃いませんでした。
輪軸2.jpg
左手前側の車輪が絶縁側、
右手前の車輪が導通側です。
肉眼で見ると判別が難しいです。
最近の輪軸は軸のところで絶縁しているのが多いのですが、軸への圧入強度に不安があったので、タイヤ絶縁にしました。
タグ: 車輪 輪軸
posted by よしひろ at 15:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 輪軸

2021年09月13日

車輪の振れ3

前回の測定で車輪の芯振れが大きかったので、軸穴加工時にバイトで内径切削をした後にリーマを通す工程に変更しました。
完成品のサンプルを10本測定し、前回と比較してみました。

 今回芯振れ(μm)前回芯振れ(μm)
 絶縁車輪導通車輪絶縁車輪導通車輪
平均21183935
最大35356050
最小10101010
芯振れはかなり減少しました。
目標としては最大で20μmを切りたいところですが、現状はこの程度が実力のようです。
参考までにModelsIMONのTR23に付いていた輪軸4軸の車輪の芯振れを測定したところ、絶縁、導通共に20〜30μmでした。

なお、前回の試作輪軸を使用して運転会で走らせましたが、特に問題は無く、スムーズに走っていました。
posted by よしひろ at 16:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 輪軸

2021年09月07日

KATOスロットレスモータ

最近、KATOからスロットレスモータというものが発表されたようです。
私はTwitterで掲載された写真しか見たことがないのですが、従来と全く違う構造のDCモータで興味があります。
KATOの特許を探してみたのですが、見つかりませんでした。
私なりに構造を想像してみました。
スロットレス.png
・従来のコア付モータと同じところ
  1. 永久磁石が外側にある。
  2. 内ヨークは珪素鋼板(?)の積層鉄心で、回転する。
  3. 軸受、ブラシ・整流子のあたりは従来と同じ。
・従来のコア付モータと違うところ
  1. 内ヨークの鉄心は円筒形で、従来のコア付モータのような凸凹(スロット)がない。
    →コアレスモータのようにコギングが発生しない
    →コギングを気にする必要が無いので強い磁石が使える
    →鉄心はあるのでロータ回転時に渦電流によるロスはある
  2. 巻き線は、コアレスモータのような感じのものが内ヨークの鉄心の表面に巻いてある。
    →コアレスモータのように巻き線だけで精度を出す必要が無いので作りやすい。
    →磁石とヨーク(本モータは内ヨーク、コアレスは外ヨーク)との空隙を小さくできるので、磁石の磁束密度が上がることが期待できる。
本当にこのような構造になるかは現物が出てみないと分かりませんが、非常に期待できるモータだと思います。
タグ:モータ 巻線
posted by よしひろ at 00:08| Comment(4) | TrackBack(0) | モータ

2021年09月06日

車輪の軸穴加工

車輪の軸穴加工を行っています。
できるだけ車輪の保持で精度が確保できるようにヤトイはコレットチャック自体を加工しています。
前回は、リーマで軸穴を加工したのですが、輪芯にタイヤを圧入する際に若干振れが出るようで、リーマは振れた下穴に沿って削られるため、出来上がった輪軸の車輪の芯振れが大きくなったようです。
今回は、それを改善するため、内径バイトで削っています。
ただ、小さな内径を測定する手段がないため、何個か削ってみて車軸を入れて適当と思われるバイト位置で削っています。
ちゃんと測定はしていないのですが、数個確認したところ、芯振れは0.01mm程度には収まっているようです。
実際に台車に取り付けて回転させても、振れはほぼ感じない程度になっています。
タグ:車輪 輪軸 切削
posted by よしひろ at 11:24| Comment(1) | TrackBack(0) | 輪軸

2021年09月01日

磁気バレルによる研磨

輪芯の切削が完了しました。
数が多いので、金属ブラシで一個一個磨くのが大変なので、バリ取りを兼ねて磁気バレルで研磨しています。
容器に研磨材入りの水と、細いステンレス線、研磨する品物を入れます。
容器の下で磁石が回転することで、磁力でステンレス線が回転し、品物にステンレス線が当たって研磨されます。
磁気バレル.jpg
タグ:車輪 輪軸 切削
posted by よしひろ at 19:57| Comment(2) | TrackBack(0) | 輪軸