私の手元にある蒸気機関車の駆動系の効率を測定してみました。
効率は入力エネルギーと出力エネルギーの比ですので、機関車に負荷をかけながら走らせ、その時の負荷、速度、電圧、電流を測定し、算出するのが正しいと思います。
この場合は、歯車だけではなくモータの出力効率も影響するので低めに出ると推測されます。
当方でそれら全ての値を同時に測定できる環境が揃っていないので、簡易的な測定としました。
- 牽引力測定車を動かないようにし、機関車で引っ張った時の牽引力、電圧、電流を測定
- モータのトルク定数と電流から、モータの出力トルクを計算
- 計測された牽引力から動輪径で動輪のトルクを計算
- モータの出力トルクを減速比倍したもの動輪のトルクとの比を高率とする
ということにしました。
なので、厳密には効率を測ったのではないのかもしれません。
また、測定値は刻々と変化しますが、計測器の測定値を算術平均したのではなく、表示された値を見てほぼ平均かなと思われる値を使用しています。
モータのトルク定数もカタログ値からの値ですので、モータ個々の誤差はそれなりにあると思われます。
そのため、測定精度は高くありません。
結果としては、
C11(動輪から回転可能な1条ウォーム付):35%前後
C11(ModelsIMONキット付属の歯車):10%前後
C53(動輪から回転可能な1条ウォーム付):35%前後
でした。
測定値は以下の通りです。
C11(動輪から回転可能な1条ウォーム付)
減速比23:1
maxon DCX12モータ使用 トルク定数:125.4gf-cm/A
印加電圧(V) | 電流(mA) | 牽引力(gf) | 動輪の換算トルク (gf-cm) | モータの出力トルク 減速比倍(gf-cm) | 効率(%) |
3 | 62 | 59 | 51.5 | 178.8 | 29 |
6 | 63 | 73 | 63.8 | 181.7 | 35 |
9 | 61 | 78 | 68.1 | 175.9 | 39 |
12 | 63 | 78 | 68.1 | 181.7 | 37 |
C11(ModelIMONキット付属歯車)
減速比30:1
IMON 1616モータ使用 トルク定数:124.4gf-cm/A
印加電圧(V) | 電流(mA) | 牽引力(gf) | 動輪の換算トルク (gf-cm) | モータの出力トルク 減速比倍(gf-cm) | 効率(%) |
3 | 95 | 50 | 43.7 | 354.5 | 12 |
6 | 120 | 50 | 43.7 | 447.8 | 10 |
9 | 135 | 60 | 52.4 | 503.8 | 10 |
12 | 150 | 63 | 55.0 | 559.8 | 10 |
C53(動輪から回転可能な1条ウォーム付)
減速比23:1
maxon RE16モータ使用 トルク定数:141.7gf-cm/A
印加電圧(V) | 電流(mA) | 牽引力(gf) | 動輪の換算トルク (gf-cm) | モータの出力トルク 減速比倍(gf-cm) | 効率(%) |
3 | 65 | 70 | 70 | 211.8 | 33 |
6 | 85 | 100 | 100 | 277.0 | 36 |
9 | 85 | 105 | 105 | 277.0 | 38 |
12 | 85 | 105 | 105 | 277.0 | 38 |