3年ほど前にも書いたのですが、モータの測定方法について書いておきます。
今回の減速機の特性は、減速機の付いたモータとして測定を行いました。
写真のようにして回転数・トルク特性を測定しています。
フォースゲージをつり下げ、糸を付けて、モータに付いたプーリに巻き、プーリと糸の摩擦で負荷をかけます。
糸の下には錘をぶら下げます。
糸が上に上がる方向にモータを回転させ、その時のフォースゲージの値を読み取り、同時に非接触式回転数計で回転数を、電流計で電流を測定します。
ぶら下げた錘の重量(質量×重力)ーフォースゲージの値が実際にプーリにかかった力となります。
今回の場合は、プーリの直径を20mmにしましたしたので読み取った値がトルク(gfcm)となります。
錘を変えて何点か測定して、グラフを作成します。
測定には誤差がありますので、今回の場合は3回測定し、平均値をデータとしています。この測定方法は、インターネットで探しても、小型モータの専門書を見てもほぼ出てこないのですが、私が勝手に考えたのではなく、私が勤務先(松下電器産業 精密モータ事業部)でモータの設計をするようになった時に教えてもらった方法で、事業部内では普通に使われていました。(当時はフォースゲージではなく、ばね秤を使用していました)
2022年の第21回国際鉄道模型コンベンションのクリニックにてモータの特性測定方法の解説がありましたが、ほぼ同じでした。(この方は、マブチモーターに勤務されていたそうです)
効率は、使用したモータ(maxon RE16S)の特性(実測)と、今回測定した歯車の出力から算出しました。
歯車の減速比と歯車出力の回転数から入力のモータの回転数が分かります。
モータの回転数が分かればその回転数でのモータの出力トルクが分かります。
モータの出力エネルギーは回転数×トルクに定数を掛け合わせた値となります。
一方の歯車の出力エネルギーも歯車出力の回転数×トルクに定数を掛け合わせた値となります。
したがって、歯車の効率は、歯車の出力エネルギー/モータの出力エネルギー×100(%)で算出しています。