2021年09月07日

KATOスロットレスモータ

最近、KATOからスロットレスモータというものが発表されたようです。
私はTwitterで掲載された写真しか見たことがないのですが、従来と全く違う構造のDCモータで興味があります。
KATOの特許を探してみたのですが、見つかりませんでした。
私なりに構造を想像してみました。
スロットレス.png
・従来のコア付モータと同じところ
  1. 永久磁石が外側にある。
  2. 内ヨークは珪素鋼板(?)の積層鉄心で、回転する。
  3. 軸受、ブラシ・整流子のあたりは従来と同じ。
・従来のコア付モータと違うところ
  1. 内ヨークの鉄心は円筒形で、従来のコア付モータのような凸凹(スロット)がない。
    →コアレスモータのようにコギングが発生しない
    →コギングを気にする必要が無いので強い磁石が使える
    →鉄心はあるのでロータ回転時に渦電流によるロスはある
  2. 巻き線は、コアレスモータのような感じのものが内ヨークの鉄心の表面に巻いてある。
    →コアレスモータのように巻き線だけで精度を出す必要が無いので作りやすい。
    →磁石とヨーク(本モータは内ヨーク、コアレスは外ヨーク)との空隙を小さくできるので、磁石の磁束密度が上がることが期待できる。
本当にこのような構造になるかは現物が出てみないと分かりませんが、非常に期待できるモータだと思います。
タグ:モータ 巻線
posted by よしひろ at 00:08| Comment(4) | TrackBack(0) | モータ
この記事へのコメント
スロットレスモータってのが何かなと思い、少し調べてみました。
あまり情報がないのですが、日本電産のページ
https://www.nidec.com/jp/technology/motor/basic/00013/
の最後に、ほんの少しだけ載ってました。
これからすると、新しいモータというより、昔は使われてたけど寂れた形式
のようですね。温故知新って奴でしょうか...

しかし、コイルの中に透磁率の高いものを置くのではないというのが、じゃあ
その鉄はなんのためにあるの、という点がわからない :-<

こういう時は英語で検索、って思うのですが、英語での slotless motor って
のは、coreless motor と同じ意味でした。
Posted by 稲葉 清高 at 2021年09月08日 16:27
マブチモーターの特開2005-192373に巻き線の方法があるので、ある程度想像できると思います。
この特許自体は拒絶査定となっています。

日本電産のページに書かれているプリントモータというのは、私が見たことがあるのは磁石の方が回るブラシレスモータでした。
磁石の下に、巻き線、鉄板が並んでいるのですが、これを円筒状に配置すると、本件のスロットレスモータの構造になると思います。

スロットレスモータの現物を見たことがないのですが、過去には普及していてたのですかね?
Posted by 森井 義博 at 2021年09月08日 17:36
マブチモーターの特許公報も読みました。それで構造は大体わかるんですが、透磁率の
高い鉄をコイルの中を通すのではなく、隣接して置いてどれくらい効果があるんだろ、
と思ったわけです。まあ電場はそこまで伸びるだろうから、効果なしではないでしょう
けどね。

> スロットレスモータの現物を見たことがないのですが、過去には普及していてたのですかね?
上に上げた、日本電産のスロットレスモータの説明のところに "スロットレスモータはコイルと共に、鉄心も回転しますが、動作原理はコアレスモータとほぼ同じです。スロットレスモータは、ブラシレスDCモータが登場するまで、高性能制御用モータとして用いられました。" と
あります。普及していたとまでは書いてないけど、珍しいものというニュアンスではない
ように思います。
Posted by 稲葉 清高 at 2021年09月08日 19:54
コアレスモータの場合は、外側から鉄、巻き線、磁石と並んでいます。
このスロットレスモータは、磁石、巻き線、鉄と並んでいます。
並び順が逆なだけですので、磁束と垂直に流れる巻き線電流で回転方向の力が出ます。
コイルの中に鉄心がなくてもコアレスモータに近い特性は出ると思います。
Posted by 森井 義博 at 2021年09月09日 10:58
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