京都の山科あたりで超特急 燕の後補機をしていたC11を作ろうと、ModelsIMONのキットを組立始めました。
以前にも書きましたが、MoldelsIMONのC11の動輪の踏面角は0°となっていますが、私は気に入らないので、踏面を加工することにしました。
 | 2016年2月14日のblogに提示したグラフです。 C11の第2動輪だけをモータで回転させての牽引力測定結果です。 電圧を徐々に上げていった時の牽引力です。 この測定が正しければ、踏面角0°では牽引力が2割程度弱いことになります。
なお、MoldelIMONの公式見解では、踏面角0°の方が牽引力が向上するということになっていると思います。(どのように検証されたのかは存じません) |
 | ModelsIMONのC11キットの動輪と、組み立てた主台枠です。 写真ではよく分からないかもしれませんが、踏面角は0°(レール上面と水平)になっています。 |
 | 以前にC11第2動輪の踏面を切削した際に使用したヤトイで今回も切削しています。 動輪が切削の圧力で振動しないように両側から押さえつけ、総型バイトで切削しています。 総型バイトを使う場合は、ビビりやすいので、少しずつ削っています。
動輪は軸から外してありますので、位相を合わせて車軸を圧入する必要があります。 |
 | これは、かなり以前に私の所属するクラブの人が本人の自作の機関車用にNCで踏面角0°と3°の動輪を作ってくださり、入れ替えて牽引力を測定したものです。 これも電圧を徐々に上げていった時の牽引力ですが、電圧を上げきった後はしばらくスリップさせて測定したと思います。 この時も踏面角0°では牽引力が2割程度弱いという結果でした。 この実験をする前は、踏面角0°はレールとの接触点が多いため、牽引力が強いと考えていたのですが、私の浅はかな考えは覆されてしまいました。
この結果に対し、誰かが言っていたような気がするのですが、踏面角0°の車輪の精度が悪いからこのような結果になったのではないかと。 プロの方が自らNC加工機を使用して作った車輪ですので、精度には問題は無いと思っています。 |
踏面角度の違いで摩擦係数が異なる、と言う結果と言うわけですね?
踏面角が異なると接触圧が変化すると思われます。
要因としてすぐに思い付くのは、次の2点かと思います。
1)潤滑の影響
接触部分に何らかの油膜(洗浄剤など)が不着していると考えた場合。
接触圧が低い方が、潤滑が良い=摩擦係数が低い。
2)表面粗さの影響
レール面と接触する、お互いの微少(nmオーダーの話と思いますが)な突起が変形しながら引っかかる事による摩擦係数の変化も、接触圧が低い方が、変形少なく摩擦係数が低いと思われます。
しかし、洋白同士(?)で、2割も変化するかな???
潤滑効果に関しては、状況でかなり変わるとは思いますが、恐らく清掃して居られると思うので、どうでしょうか? なお、うちでは清掃にリグロインを使っていますが、清掃後は完全に乾燥するまで、かなり牽引力が落ちると感じています。測定はしたことがありません(計測環境無い)が、印象として1割以上落ちます。接点復活材も同様に落ちますが、摩擦係数低下より、集電向上ですね(笑) 線路側の異物による摩擦係数変化は、トレーラーの抵抗にも影響するので、評価は難しいです。
あと、データを見ていて気になるのは、踏面角3度の方が、細かい変動が大きいように思います。これが、何に起因するのか? 前述の、2要因で説明が付くのか、全く異なる要因か?
この時は、車輪を回すのではなく、回らない車輪の付いた重い車輛を引っ張った時の負荷を測定しています。
この時のデータでは、踏面角0°が特に摩擦係数が低いとは出なかったのです。
なぜか、この時は踏面角9°の摩擦係数が突出していました。
車輪を回さずに引っ張る結果は上記の通りなのですが、実際に動輪を回した結果では、2例とも明らかに0°が良くないことになっています。
少なくともModelsIMONの主張する踏面角0°で牽引力が大きくなるという実験結果は1つもありません。
2016年1月のblogでは、レール頭面の清掃状態の違いについても言及しています。
C11の測定では、できる限りレールの状態は同じになうようにしたはずです。