驚くような結果となりました。 グラフのデータは、電圧を徐々に上げていった時の牽引力です。 測定データには誤差がありますので3〜5回測定し、平均した値でグラフにしてあります。 (1)C11の牽引力が異常に強い 参考までにC53の牽引力も今回同時に測定し、今までとほぼ同じでした。 C11の重量はC53の約半分ですので、牽引力も約半分と想定していたのですが、信じられないような値が出ました。 (2)踏面のめっき 元のC11の動輪の踏面は黒ニッケルめっきが施されています。 今回加工した動輪にも薄く黒ニッケルめっきを施しましたが、できるだけ対等な比較になるようにどちらの踏面も2000番のサンドペーパでめっきを除去して測定しました。 元の動輪の踏面のめっき有無で牽引力に差が認められます。 (3)踏面形状による牽引力の違い これが今回の主目的ですが元の踏面角0°と円弧踏面とで想定以上の差が出ました。 あまりにも牽引力が出過ぎたせいか、動輪の抜き差しを何度かしたせいか分かりませんが、踏面を切削した第2動輪が測定中に車軸から抜けてしまいました。 (4)静止摩擦から動摩擦への変化点 牽引力のデータではあまりよく分からないのですが、測定中の電流の変化を見ていたところ、スリップし出すところで電流が減ります。 C11の踏面0°の場合、約130mA流れていたものが約90mAに減少しました。モータの電流はトルクに比例するはずなので、静止摩擦は動摩擦の約1.4倍位あるのかなと推測されます。 (5)消費電流 12V印加時の電流は、C11踏面0°:約130mA、C11円弧踏面:約200mA、C53:約50mAでした。 モータはC11:IMONコアレス:トルク定数11.8 mNm/A、C53:maxon RE-16:トルク定数13.9mNm/Aです。 トルク定数はほとんど変わらないのですが、牽引力あたりの電流はC53の方が圧倒的に少なくなっています。 すなわち、C53の方が伝達効率に優れていると言えると思います。
今回の測定結果が幻で無ければ、このC11の牽引力の秘密を解析できれば、機関車の重量をあまり増やさずに強力な機関車が作れるかもしれません。
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