先日のC11の動輪を円弧踏面にする件で、牽引力がかなり大きくなりましたので、C53の動輪も円弧踏面にして牽引力を測定してみました。
結果としては、従来の踏面よりも牽引力は大きくなるようです。
| 牽引力の測定結果です。 前回同様、電圧を徐々に上げていった時の牽引力です。 円錐踏面は、前回のC53の従来の動輪の牽引力データです。 参考のためC11の円筒踏面の牽引力を今回測定した値と前回の値を並記しています。 この程度の測定誤差があります。 C53の円弧踏面の結果がいくつかあるのは、下記に示す測定誤差への対応です。 結果としては、従来の踏面と比べて、1.6倍程度の牽引力が期待できそうです。 ゴムタイヤを入れた場合は過去の測定から金属タイヤと比べて牽引力が1.8倍位になりますので、それには及びませんが、牽引力向上には有効な手段と思われます。 できるだけ測定を均質化するため、測定の度に線路上の機関車の位置をずらすようにしました。 |
| 今回データを取り始めて、データ取得毎で最大牽引力に大きな差がでました。 特に7〜9回目の値はかなり小さくなっています。(それでも従来の踏面での値よりは小さくない) 原因は色々な条件が重なっていると考え、50回データを取得し、平均を求めることとしました。 また、試験を実施すると踏面に影響が出ていることが確認されたため、後半は三回に一回踏面を研磨しました。 踏面を研磨した直後は最大牽引力が小さくなるので、踏面研磨直後の牽引力のみを平均しグラフにしてあります。 |
| 試験後の踏面です。 試験でかなりの時間をスリップさせているのでレールに当たっている部分が削れてしまっています。 この踏面の削れも、牽引力の測定誤差に影響していると思います。 |
結果として、従来の1.6倍程度の牽引力が得られましたが、どのような理由によるものかがよく分かりません。
過去に測定した牽引力のデータによると、ほぼ、動輪上重量の18〜20%程度が牽引力でした。
これは、レールと動輪の摩擦係数が18%程度と考えるのが妥当と思われます。
今回の場合は、500gの機関車で、150gf程度の牽引力が出ていますので、動輪上重量の約30%ということになります。
摩擦係数としては大きすぎます。
理論的になぜこのような結果になるのか、私はちゃんと説明することができません。
どなかた、詳しい方がいらっしゃいましたら、理論解説をいただけないでしょうか。