2022年06月11日

ロックタイトの劣化

dda40x氏のblogやそのコメントに興味深い話が書かれていました。
ロックタイト(嫌気性接着剤のことと思われる)の劣化は、金属粉が入ることの旨が記載されていました。
確かにロックタイト嫌気性接着剤は金属に反応し、空気が遮断されると固まりますのでもっともな話です。
このblogでは、「実際に起きたことなのだろうが、条件がすべて異なるので、参考にはならない。」と書かれているので、私の経験は参考にならないかもしれませんが、一応書いておきます。

私は40年以上前に仕事でロックタイト嫌気性接着剤を使い始め、今は趣味の工作で使用しています。
容器に入ったロックタイト嫌気性接着剤が固まった経験は一度もありません。
尤も、容器の口の部分で残った接着剤が固まったことはあります。
瞬間接着剤は何度も容器の中身全体が固まったことはあります。

仕事で使用している時から経験した不具合は、ロックタイト嫌気性接着剤がいつまでたっても固まらないということです。
何度も経験しています。
いつ、どのようなタイミングで発生するのか、その原因は何なのか一切不明なので、避けることができません。
容器内の接着剤が固まるとかですと事前に不具合が分かりますが、普段と変わりない状態で固まらなくなるというのは困りものです。
ただ、この経験があるのはロックタイト601だけなので、不具合の発生を避けるため、601はなるべく使用しないようにしています。(一応持ってはいます)
私はサイエンティストではありませんので、科学的根拠よりも実際に発生したことを重視しています。

あと、このblogでは、「模型用なら200番台で十分だ。」と書かれていてロックタイトの200番台を推奨されているように見えます。
理由が書かれていないので200番台を薦める意図が不明です。
600番台ははめあいの固着用、200番台はねじの固着用となっていますが、確かに263等の高強度タイプであればはめ合いの接着に使用しても問題はないと思います。
しかし、222の低強度タイプを使用すると割と簡単に外れると思いますので、この書き方で大丈夫なのか疑問が残ります。
私は後で取り外す治具の仮固定にロックタイト222を使用しています。
また、価格は、私が見たところでは、10ml入が263よりも601や648の方が安いのでわざわざ200番台を使う必要があるのか疑問です。

とりあえず、ロックタイト601に金属粉が入るとどうなるのか確認してみました。
半日程度では金属粉の周囲しか固まりませんでしたが、全体的に変色しており、何らかの劣化があると思われます。
601.jpg今回の実験用に新規にロックタイト601の10ml入を購入しました。
金属粉.jpgチャック付ポリ袋に金属粉(主に真鍮)を入れました。
金属粉入601.jpg金属粉の入ったチャック付ポリ袋にロックタイト601を入れ、チャックを閉じました。
金属粉入601半日後.jpg
半日経過したものです。
金属粉の周囲は固まっています。
 金属粉入601半日後2.jpg
チャックを開けて液体を出してみました。
おそらく半分以上は固まらずに液体のままの状態でした。

固まらなかった液体が劣化して固まらなくなっている可能性もあるので、真鍮板同士をくっつけて見ましたが、すぐに接着されました。
 劣化.jpg
左が金属粉が入って固まらなかったところ
右が容器から出したばかりのもの
金属粉が入ったものは半日では全部固まるということはありませんでしたが、全体的に変色していますので、何らかの劣化は発生しているようです。
posted by よしひろ at 01:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 接着
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