高効率ギヤの使用例をいくつか見かけるようになりました。
どのようなものか興味を持ち、入手し、特性を測定してみました。
集電や、動輪の回転負荷等を避けて可能な限り減速機そのものの特性を見るために、車輛に組み込まずに、モータからの出力をギヤセットに繋ぎ、その出力軸の出力を測定することにしました。
比較のため、スパイクモデルのコースティングギャー(減速比2:30)とIMONの蒸機機関車用のギアボックス(減速比1:30)、安達の蒸機用ギアボックス(減速比1:30)も同等の条件で測定しました。
条件を揃えるため、どれも同じモータ(maxon RE16S 実測で無負荷回転数:約7400rpm、起動トルク:約5.2mNm)を使用しています。
結果は以下の通りです。
高効率ギヤとモータを接続するジョイントは、推奨(?)の六角ナットを使用したものと、IMONのシリコーンチューブを使用したもので測定しました。
特性にある程度の差が出ることを期待していたのですが、ほとんど変りませんでした。
ただ、負荷トルクが大きくなるとシリコーンチューブの方は回転数の落ち方が大きくなっています。
ただ、負荷トルクが大きくなるとシリコーンチューブの方は回転数の落ち方が大きくなっています。
もっとトルクの大きなモータを使用し、大きな負荷をかければ差が出てくるのではないかと推測します。
効率は、さすがに高効率ギヤを名乗るだけあって約70%の非常に高い値が出ました。
ここでいう効率は、歯車の出力エネルギーをモータの出力エネルギー(すなわち歯車への入力)で割った値です。
最大のトルク(回転数が0になるトルク)は減速比3:23(約1/7.67)にもかかわらず、減速比1:30のIMONの歯車に迫る値が出ています。
高効率であるが故の結果でしょう。
スパイクモデルのコースティングギャーは色々と問題点が指摘されていますが、それでも50%近い効率が出ており、それなりに優秀だと思います。
IMONのギアボックスには従来からの仕様(モジュールは0.3と少し細かい)のウォームギアが入っているので効率は期待していませんでしたが、効率20%以上となかなか優秀と思いました。(C11に組み込んでの機関車の効率は約9%でした)
IMONのギアボックスには従来からの仕様(モジュールは0.3と少し細かい)のウォームギアが入っているので効率は期待していませんでしたが、効率20%以上となかなか優秀と思いました。(C11に組み込んでの機関車の効率は約9%でした)
安達の蒸機用ギアボックスは低トルクでは効率が悪いものの、高トルクではIMONのギアボックスよりも良い結果でした。
モータとの接続は同梱のゴムジョイントを使用しています。
歯車の回転負荷が大きめで、トルクの小さいときにその影響が大きく出ているように思えます。
2024/1/8 安達の歯車を追記