2021年01月26日

牽引力

客車の牽引試験のついでに、試験に使用したC53蒸気機関車の牽引力を測定してみました。
この機関車は耐久試験で動輪の踏面が削れてしまっているので、新品の動輪とは違う結果になっている可能性があります。
印加電圧4.0V6.0V8.0V10.0V12.0V
牽引力(gf)82.8107.0110.1113.3117.3
4Vの時は動輪が回っていませんが、6V以上では動輪はスリップしています。
タグ:牽引力
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2021年01月23日

速度測定

15年前に作製した速度計を使用して、模型のC53蒸気機関車の速度が印加電圧度でどう変わるか調べてみました。
12Vから2Vずつ電圧を低くして走行速度を測定しました。
残念ながら2Vでは動かなかったので、最小電圧は3Vで測定しています。
C53速度.png左図の通り速度はほぼ印加電圧に比例しているようです。
12Vで93km/h程度なので、ほぼスケール通りと思いますが、模型としてはもう少しスピードが出ても良いのかもしれません。
タグ:測定
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2020年12月12日

耐久試験3

試験で動輪の回転時間が100時間に達したので、試験終了とし、ウォームギアの様子を確認しました。
就寝中、外出中は安全のため試験を停止したため、総時間159時間中、稼働時間100時間に対し、59時間は停止していました。
動輪の回転速度は、約355rpm(実物換算速度で約117km/h)でした。
ウォームの減り.jpg
ウォームギアの状態は24時間稼働時と比べると角が丸くなったような気がしますが、ほとんど摩耗はしていないと思われます。
状態確認のため、ウォームギアに付けたグリスはぬぐい取っています。
タイヤの減り.jpg
スリップしながらの試験に使用した動輪をそのまま使用しましたので、本試験前にもそれなりの摩耗があったのですが、ボールベアリング上で回してもタイヤは摩耗しました。
フィレットのところが摩耗しているのはスリップしながらの試験での摩耗です。
それより外側で一段摩耗し、黒くなっているのは今回の試験によるものと思われます。
黒いのは、ボールベアリングの油が付着したのではないかと思います。
動輪の直径は、約0.1mm小さくなっています。
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2020年12月06日

耐久試験2

試験で動輪の回転時間が24時間を経過したので、ウォームギアの様子を確認しました。
実際は、17時間連続稼働後、就寝中は安全のため試験を停止し、試験再開後7時間経過した合計24時間の時に分解して確認しました。
状態確認のため、ウォームギアに付けたグリスはぬぐい取っています。
ウォーム.jpgウォームギアの摩耗は確認できませんでした。
24時間稼働では問題ないようです。
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2020年12月05日

耐久試験

線路上でスリップさせて動かすとレールや動輪の摩耗が激しかったので、ボールベアリング付の試験台で動かしています。
本来なら、客車10輛程度を牽いて線路の上を走らせ続ける試験をやりたいところですが、試験環境を用意できないため、負荷が軽いですがこのような試験になっています。
10V印加で30mA前後流れています。
約6時間経過して特に問題なく動いています。
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負荷試験で分かったこと

負荷試験は、レール、車輪の摩耗のため中止しましたが、この試験で分かったことを書いててみます。
(1)駆動系の伝達効率
非常にざっくりですが、この駆動系の伝達効率を計算してみます。
注油後の入力電流は、約0.09Aでした。
動輪上重量は約500gで、過去のデータから動輪の摩擦係数を0.2とすると約100gfの牽引力があります。
動輪直径は20mmですので、動輪の軸に約100gf-cmのトルクがかかっています。
一方使用しているモータは、トルク/電流比で11nNm/A≓110gf-cm/Aです(メーカ公称値)。
なので、モータの出力トルクは、110×0.09=9.9gf-cmとなります。
ギア比は1:23なので、ウォームホイールには約230gf-cmのトルクで回していることになります。
実際には100gf-cmしか出ていませんので100/230=0.43です。
つまり、約40%の効率と計算されます。(あまり正確な計測ではないため、有効数字を少なくしています)

(2)牽引力
上記の通り、注油後の入力電流は約0.09Aでしたが、試験が進につれ、0.22A程度まで増えました。
電流が増えた要因ですが、
  • 駆動系の負荷が増えた。
  • 動輪とレールの摩耗で動輪ーレール間の摩擦が増えた。
の2点が考えられると思います。
前者は、通常は回し続けることでスムーズに動くようになることが多いと思います。
なので、後者の要因が大きいのではないかと思います。
とすれば、牽引力が2倍以上に増えていることになります。
牽引力を増やすには、動輪上重量を増やすしかないと思っていましたが、もし、適切な踏面形状にすれば牽引力が上がるのならば、検討する余地がありそうです。

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2020年12月04日

ウォームの耐久試験

ずっとスリップしながらの試験でしたので、レールや車輪の摩耗が激しく実稼働との乖離が大きいため、途中で止めました。
レール摩耗.jpg
試験で使用したレールもかなり摩耗しています。
試験中に線路が動いたようで、摩耗している箇所が長くなっています。
車輪摩耗.jpg車輪のタイヤもかなり摩耗しています。
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ウォームの耐久試験

先日発売のC53でウォームギアが摩耗したという話を聞きましたので、確認の試験をしています。
機関車を固定し、10Vを印加して動輪をスリップした状態で回し続けます。
1時間経過し、ウォームギアの様子を見ましたが特に問題はないようでしたので、注油してから試験を再開しています。
レールと動輪のタイヤはスリップによりすり減っています。
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2020年08月27日

C53運轉室雨樋

C53運轉室雨樋を製作しています。
実物が板を曲げたものなので、それに準じて洋白の薄板を曲げて作製しています。
運轉室雨樋.jpg治具を使用して「し」の字状に曲げただけなのですが、成功率が1/3以下と非常に歩留まりが悪くなってしまいました。
治具に小さな傷があっても、それが曲げた物に反映されて少し歪になってしまいます。
曲げる板も両端の寸法差が0.05mmもあると、綺麗に曲がりません。
一旦曲げてある程度形を作った後にもう一度曲げているのですが、治具との合わせが少しでもずれると思った形にはなりませんでした。
たいした部品でもないのですが、結構手間がかかった次第です。
タグ:屋根曲げ
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2020年08月14日

C53ボイラー曲げ

C53のボイラーを曲げています。
珊瑚模型店や安達製作所といったメーカではどうやって曲げているのか知らないので、自己流でやっています。
曲げ前.jpg加工の際にエッチング板の表面が傷つくのを防ぐために薄いシートを貼っています。
曲げ1.jpg
3本ローラである程度丸めます。
この3本ローラは剛性不足のようで、中央部分が広がって均等には丸まりません。
その後、丸棒を使ってある程度均一に丸めています。
蒸気機関車の自作をされる方のblog等を見ると、両端を先に曲げるということが解説されていますが、後工程の都合で、両端は真っ直ぐのままです。
曲げ2.jpg
C53のボイラーは、火室の部分が少し上がっています。
それを表現するため、治具に入れて万力で押し出ししています。
高さの差は0.数mmなので、実際のところ見てもほとんど分かりません。定規を当てると何となくわかるレベルです。
油圧プレス等が欲しいところですが、現在は万力がプレス機代りです。
エキセンプレス(ネコプレス)はありますが、万力の方が強く締め付けられます。
曲げ3.jpg治具に入れて、ボイラーの両端を曲げる準備です。
曲げ4.jpg指、ハンマー等を使用して、曲げます。
曲げ5.jpg最後に、形を整えるために治具に入れて押さえつけています。
曲げ6.jpg
丸め終わった写真です。
スプリングバックで若干開きますが、これで曲げ作業は終わりです。
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2020年08月11日

C53運轉室の屋根曲げ

C53の運轉室の屋根を治具を使用して曲げています。
屋根曲げ.jpg
3本ローラで屋根上部を丸めます。
最終形状よりも小さめの径で曲げています。
 
ある程度曲がった板を治具を使い、最終形状に曲げます。
スプリングバックがありますので、治具から取り出した後に微調整します。
適当なプレス機がないので、万力で押さえつけています。
1/87の運轉室程度であれば、この程度のもので曲がります。
タグ:屋根曲げ
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2020年08月02日

駆動方式の検討

今回、1条ウォームで動輪からの回転ができるようにしましたが、先人が動輪からの回転が可能な方式を考えられ、その模倣と検討により実現できたと思います。
記録として、その経緯を時系列で示します。
※稲葉さんからご指摘の件、追記しました
内容発表先名前(敬称略)備考
1947 7私の電車鐵道模型趣味松田恒久1984年井上豊氏のオートクラッチの元ネタ。
 1978頃 クラッチギア未発表内田利次(クラーケン)
雑誌等には未発表。
福原金属さんの会(7月)にてお披露目。
韓国製コピー製品あり。
工業生産向きの構造で、確実に動作する。
 1984 11押して動くとれいん大東孝司3条ウォームにより、動輪側から回転可能
 1984 12オートクラッチ鉄道模型趣味井上豊自動式クラッチ
 1987 ベアリング入り輪軸未発表森井義博車軸にボールベアリング入り
 1989 コースティングギア商品発売スパイクモデル
2条ウォーム 13mmゲージ用
進み角21°19'(設計値)
 19942私のC51超特急とれいん森井義博
ウォームホイール内オートクラッチとベアリング入り輪軸。
クラッチは、Canon F-1の巻き上げレバーのクラッチ構造を参考に双方向にクラッチが効くようにして製作。
製作が非常に面倒なため、製作は1回のみ。
200g程度の車輛では輪軸にボールベアリングを入れたものよりも良く調整されたピボットの方が軽く回る。
クラッチ.jpgベアリング車輪.jpg
 1994 5C51
Super Superb Line
商品発売カツミ
2条コースティングギア内蔵
進み角約18°(実測)
動輪側から回転するが重かった。
 1999 6C622鉄道模型趣味森井義博ギアヘッド付モータと平ギア、スパイラルギアによる駆動。
動力装置の体積が大きいことと、スパイクモデルのコースティングギアと比べて動輪側からの回転は軽くなかった。
 2001 3条ウォーム 森井義博
2条でウォームを製作できる会社を見つけられず、3条で試作。特に問題なし。
2015 1条ウォーム(進み角20°) 森井義博
1条ウォームで動輪側から回転可能な歯車を作製。
歯底径は設計値0.17mmであるが、加工中に折れるため、0.77mmで製作。
ホイール歯の先端をウォーム歯底径が大きくなった分切削。
動輪側から回すと時々引っかかりあり。
2018 2条ウォーム(進み角30°) 森井義博
特に問題なし。
但し、無負荷回転数が12Vで4000〜5000rpmのコアレスモータが必要であるが適当なものが見つからない。
2019 1条ウォーム(進み角20°) 森井義博
1条ウォームで動輪側から回転可能な歯車を作製。
歯底径は設計値0.17mmであるが、加工中に折れるため、0.64mmで製作。
ホイールはウォーム歯底径が大きくなる分、歯を転位して外径を小さくした。
特に問題なし。
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2020年07月24日

ロストワックスの収縮

C53の連結棒(サイドロッド)をロストワックスで作っているのですが、なかなか希望した寸法にできませんでした。
連結棒.jpgロストワックス鋳造したものは、原型よりも収縮しますが必ず均一とは限りません。
連結棒のクランクピンの穴は、精度が必要なため、後で機械加工する必要があります。
でも、ロッドの丸いところとクランクピンの穴はあまりずれると見た目が悪くなります。
ロストワックスの収縮率は3〜4%程度と思われますが、実際に作ってみないと正確なところは分かりません。
最初は、6年ほど前にうまくいったものを再生産してもらったのですが、出来上がったものは、小さくなっていました。
ゴム型が年月を経て収縮していたようです。
そこで、穴の位置を合わせるために、今回は原型を4個作りました。
原型は3D造形で作っているのですが、そもそも3D造形で出来上がってくるものはデータ通りの寸法ではなく、ある程度の誤差があります。
3Dのデータを0.5%ずつ変化させて、少しずつ寸法の異なる原型を作製し、現在のロストワックス鋳造での収縮率の推定値から適当と思われる寸法の原型を選択してロストワックス鋳造するという手法です。
実際のところ、3D造形で出来上がったものは、0.5%の差も無く、ほぼ同じ寸法というのもありました。
写真の中央部のものがほぼ期待した寸法のものです。
右側は、原型違いで短かったものです。
左側は、中央のと同じロットですが、ロストワックス鋳造時のばらつきで長くなったものです。
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2020年06月20日

釣リンク

返クランク腕と心向棒を繋ぐ釣リンクの形状が左右非対称であることを今までは気にしていませんでした。
小さな模型の部品としては対称形で作られていることが多いと思います。
釣リンクの下側には斜めにボルトが付けられていてそれがどちらを向くのが正しいのか確認しました。
釣リンク.png
C53の弁装置組立図面を見るとボルトは前側になっています。
図面では、9の部品です。
京都鉄道博物館で実機を確認すると、
C53釣リンク.jpg写真では見づらいですが、確かに前側にボルトが付いています。
C51釣リンク.jpg
ところがC51では後側にボルトが付いています。
京都鉄道博物館で見ることができた蒸気機関車では、C5345とC621以外は後側にボルトが付いていました。
C6226は後ろ側にボルトが付いていてC621吐逆なのがよく分かりません。
C622は整備中だったので近づいて見ることができませんでした。
ということでC53の釣リンクの向きは他の機関車とは逆ということが確認できました。
C53の場合、連結棒(サイドロッド)も関節の位置が通常とは前後逆なのですが、何故でしょうね。
タグ:機関車部品
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2020年06月19日

炭水車ボギー横扣

C53の炭水車にはボギー横扣が2種類ありどのように使われているのか調べてみました。
ボギー横扣.jpg
図面には2種類描かれています。
下の曲がっている方は、
「台車前部並ニ最後部用」と書かれています。
しかし、C53現役時の写真を見ると、最後部は直線のものばかりです。

梅小路に保存されている機関車では以下のようになっていました。
C53連結面.jpg
機関車との連結部の横扣は曲がったタイプです。
写真はC53のものですが、D50,C51も同様でした。
C53中間.jpg
C53、D50、C51とも炭水車の中間のボギー横扣は直線です。


C53背面.jpgC5345の17立米炭水車の台車後部の横扣は直線です。
D50背面.jpg C53の一部はD50の20立米炭水車に振替えられました。
このD50140の20立米炭水車台車後部の横扣は曲がったタイプです。
C51背面.jpg
 このC51239の炭水車は12-17の銘板が付いていますが、形状は20立米炭水車です。
台車後部の横扣は直線です。

以上のことから、C53の炭水車ではボギー横扣は、前から 曲ー直ー直ー直(曲もあるかも)という形状になっていると考えられます。
タグ:炭水車
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2020年06月07日

C53走行試験

C53の走行試験として客車1輛を牽き、ポイントの分岐側を走らせました。
少しショートするタイミングがあるので、もう少し調整が必要です。
ポイント通過音を確認したかったのですが、走行音に紛れてよく分かりません。
タグ:曲線通過
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2020年06月01日

C53機関車重量

とりあえず、パイピング以外の組立はほぼ終わりましたので、機関車の重量を測定してみました。
C53重量.jpg何とか500gになりました。
煙室や、シリンダの中は空洞なので、補重は可能なのですが、重心がずれるので、この程度て良いかと思います。
井門義博氏のblogに掲載された同じ縮尺の蒸気機関車の重量と比べても軽いということはないでしょう。
タグ:ウェイト
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2020年05月08日

C53ブレーキシュー

C53動輪のブレーキシューを取り付けました。
C53ブレーキシュー.jpgブレーキシューはプラスチック(ABS)の射出成形品ですのでショートを気にする必要はありません。
瞬間接着剤で取り付けました。
タグ:機関車部品
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2020年05月07日

C53中央部ロッド

C53の中央部のロッドを付けました。
DSC04730.JPG全く動かず、シルエットだけですが、一応付けてあります。
エッチングによる簡単な構成です。
タグ:機関車部品
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2020年04月25日

C53走行

C53の下回りにウェイトを乗せ、炭水車を連結して短い線路を往復運転してみました。
3V、6V、10Vの電圧を印加してのテストです。
10Vでは、電源を止めても少し惰行しているようです。
炭水車はそのままでは軽くて集電不良を起こすので、100gの錘を乗せてあります。
列車を牽くためにも炭水車は100g以上の重量が必要と思います。
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