2024年03月30日

踏面形状

モデルアイコンさんで、負荷の少ない輪軸を作られたとのことで興味がありました。
在庫が1式だけ残っているとのことで購入させていただきました。

踏面形状に工夫があるようでしたので、比較のため他の車輪と並べて撮影しました。
モデルアイコン.jpg
モデルアイコンさんの車輪はLow-Dのようにフィレット半径を大きくしたものかと思っていましたが、現物を見ると曲線というよりも斜めの直線のような感じのフィレットになっています。
フランジの角度はかなり緩く設定されているようです。
他の車輪と比べてフランジが高いですが、これは16.5mmゲージ用の一般的なフランジ高さと同程度です。
他の車輪は、13mmゲージ、12mmゲージ用で、16.5mmゲージ用よりもフランジが低くなっています。
スパイクモデルの車輪は古いもので、評判の良くなかったフィレットの大きなものです。
フランジ先端近くまでフィレットの曲線があるのと、フィレットの面が筋状にが凹凸があるのが評判を悪くした原因でしょうか。
その反動からか、現在のJM規格の車輪のフィレットは0.17mmと小さく設定されています。
円弧踏面は私ので、フィレット自体はそれほど大きくありませんが、踏面のフィレットに近いあたりで円弧状に曲げてあります。
タグ:輪軸 踏面
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2022年08月22日

牽引負荷測定(JAMにて)

2022年の第21回国際鉄道模型コンベンション会場で13ミリゲージャーの集い様の13mmゲージレイアウトにて開場前に列車の牽引負荷を測定させていただきました。
この13mmゲージのレイアウトは、非常に大きく、かなり正確に作られた組み立て式です。
私の環境ではできない長い勾配区間もあり、ご協力いただいて測定させていただきました。
十三クラブの田中氏のDF50に客車7輛編成で牽引負荷を測定させていただきました。
勾配は17‰位と言われていたと思います。
私のiPhonを使用して勾配を確認しましたが、ほぼ1.5〜2.0%の間でした。(小数点以下1桁精度はちょっと怪しいかもです)
 13mm牽引負荷.png
 登り→降り→平坦の区間を2周した時の列車の牽引負荷です。
グラフは見やすくするため、平滑化してあります。
勾配の測定データは、平坦線での変動やばらつきが多いことが少々怪しいですが、勾配の最大で約1.7%と計測され、概ね実際の傾きとほぼ一致しています。
勾配が先に大きくなり、後で牽引負荷が大きくなっていくのは、牽引力測定車が列車の前に連結されているためと考えられます。
負荷については、1周目と2周目でほぼ同じですので、それなりに信頼できるデータかなと思います。
一番重いところで、約50gf強となっています。
 13mmDF50牽引力.png
 牽引機関車があとどの程度余裕があるのか確認するために機関車の牽引力を測定させていただきました。
電圧を変化させながら牽引力を測定しました。
グラフは見やすくするため、平滑化してあります。
スリップする直前あたりで60gf強が記録されています。
勾配での最大負荷が50gf強でしたので、あと1輛程度の余裕しかなさそうです。
なお、機関車の重量は測定できませんでしたので、この機関車が車重に比べて強力か否かというのは確認できませんでした。
posted by よしひろ at 15:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 輪軸

2022年04月29日

機関車を手で押して動輪の回転を確認2

前回、手で押して動輪が回転するか確認した際に、C62は動輪が回転しませんでした。
確認したところ、使用しているモータの軸受が硬くなっており、モータが回転しませんでした。
予備のモータを持っていましたので、交換しました。
このC62は、鉄道模型趣味誌1999年6月号に記事が載ったものです。
RE13sample.jpg
使用しているモータはmaxonのRE13です。
発売早々に購入したためか、製品版ではなく、サンプル品です。
時々モータを回転させないと、軸受がさび付いたようになって動かなくなるみたいです。
昔、ドイツ製に戻ったライカM6を購入した時も外装に錆のようなものが浮かんできました。
ヨーロッパ製品を日本で使う場合は日本の高温多湿に気をつける必要があるかもしれません。
切削.jpg
モータにギアヘッドを付けてあるのですが、シャフトがΦ3です。
これに取付ける歯車の関係で、シャフトをΦ2に加工する必要があります。
モータを旋盤のチャックに付けてモータ自身に電流を流し、回転させて削っています。
シャフトは焼き入れされているため硬く、モータも切削するにはそれほどトルクはありませんので、0.01mm位ずつ削っていきました。
動力.jpg
動力は左写真のようになっています。
1:16.58のギアヘッド付のモータから平ギア4枚で下げて、カプリング経由でスパイラルギアで直角に曲げて第2動輪を駆動しています。
ギアヘッド内は2段減速で、その先に3段の平ギア連動なので合計5段になります。
このC62は機関車重量が506gありますが、少し上から押えないと動輪が回りませんでした。
ボイラの中にモータが入り込む構造の関係で、組立/分解が非常に面倒です。
作製当時はスパイクモデルのコースティングギア(二条ウォーム、2:30)を使用したことがありましたが、ウォームを使わずに動輪から回せるようにしたく、このような構造にしました。
この構造は複雑で、意外と効率が良くないようなので、二度と作らないと思います。
posted by よしひろ at 18:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 輪軸

2022年03月01日

レールと動輪タイヤの摩擦係数

牽引力の試験で、レールと動輪タイヤ踏面の接地面積を小さくすると牽引力が大きくなるという結果が得られました。
その理由が分からなかったのですが、facebookで質問したところ、原因と考えられるものを教えていただきました。
その原因は、「アモントンの法則の系統的破れ」という現象らしいです。
私は完全には理解できているわけではありませんので、詳細はリンク先を参照していただきますようお願いします。
簡単に書くと「アモントンの法則の系統的破れ」により接地面積が小さくなると摩擦係数が大きくなるというものらしいです。
ちなみにアモントンの法則とは、
  1. 摩擦力は見かけの接触面積に依存しない。
  2. 摩擦力は荷重に比例する。
というもので、従来、機関車の牽引力を推定する際に一定の摩擦係数に軸重を掛けたものとしていたのは、このアモントンの法則に従っているということが前提でした。
しかし、踏面角0°でレール頭面全体にタイヤ踏面が接触している場合と、踏面角によりレールのごく一部にタイヤ踏面が接触している場合とでは、「アモントンの法則の系統的破れ」により後者の方が摩擦係数が大きくなるようです。
この「アモントンの法則の系統的破れ」が公開されてまだ10年弱ですので、まだまだ解析が進んでいくと思われますが、これが正しいのであれば、これまでの実験結果の裏付けとなります。
posted by よしひろ at 21:15| Comment(2) | TrackBack(0) | 輪軸

2022年02月27日

牽引力測定と誤差

先日のC11の動輪を円弧踏面にする件で、牽引力がかなり大きくなりましたので、C53の動輪も円弧踏面にして牽引力を測定してみました。
結果としては、従来の踏面よりも牽引力は大きくなるようです。
C53円弧踏面牽引力.png
牽引力の測定結果です。
前回同様、電圧を徐々に上げていった時の牽引力です。
円錐踏面は、前回のC53の従来の動輪の牽引力データです。
参考のためC11の円筒踏面の牽引力を今回測定した値と前回の値を並記しています。
この程度の測定誤差があります。
C53の円弧踏面の結果がいくつかあるのは、下記に示す測定誤差への対応です。
結果としては、従来の踏面と比べて、1.6倍程度の牽引力が期待できそうです。
ゴムタイヤを入れた場合は過去の測定から金属タイヤと比べて牽引力が1.8倍位になりますので、それには及びませんが、牽引力向上には有効な手段と思われます。
できるだけ測定を均質化するため、測定の度に線路上の機関車の位置をずらすようにしました。
C53円弧踏面最大牽引力.png
今回データを取り始めて、データ取得毎で最大牽引力に大きな差がでました。
特に7〜9回目の値はかなり小さくなっています。(それでも従来の踏面での値よりは小さくない)
原因は色々な条件が重なっていると考え、50回データを取得し、平均を求めることとしました。
また、試験を実施すると踏面に影響が出ていることが確認されたため、後半は三回に一回踏面を研磨しました。
踏面を研磨した直後は最大牽引力が小さくなるので、踏面研磨直後の牽引力のみを平均しグラフにしてあります。
牽引力測定後C53踏面.jpg
試験後の踏面です。
試験でかなりの時間をスリップさせているのでレールに当たっている部分が削れてしまっています。
この踏面の削れも、牽引力の測定誤差に影響していると思います。
結果として、従来の1.6倍程度の牽引力が得られましたが、どのような理由によるものかがよく分かりません。
過去に測定した牽引力のデータによると、ほぼ、動輪上重量の18〜20%程度が牽引力でした。
これは、レールと動輪の摩擦係数が18%程度と考えるのが妥当と思われます。
今回の場合は、500gの機関車で、150gf程度の牽引力が出ていますので、動輪上重量の約30%ということになります。
摩擦係数としては大きすぎます。
円弧踏面の場合、レールと踏面の接する角度が大きいためではないかと推測しているのですが、過去に測定したデータでは踏面角を大きくしても摩擦係数はあまり変わらないという結論でした。
理論的になぜこのような結果になるのか、私はちゃんと説明することができません。
どなかた、詳しい方がいらっしゃいましたら、理論解説をいただけないでしょうか。
posted by よしひろ at 22:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 輪軸

2022年02月20日

動輪踏面と牽引力

C11の動輪踏面の加工ができましたので、キットの動輪(踏面角0°)との牽引力を比較してみました。
C11の重量は約255gで、動輪のみを取り替えて測定しています。
測定の線路は平坦にしたかったのですが、部屋の床の微妙な傾きの関係上、0.1°傾いています。(誤差程度と認識しています)
C11頭面違い牽引力.png
驚くような結果となりました。
グラフのデータは、電圧を徐々に上げていった時の牽引力です。
測定データには誤差がありますので3〜5回測定し、平均した値でグラフにしてあります。
(1)C11の牽引力が異常に強い
参考までにC53の牽引力も今回同時に測定し、今までとほぼ同じでした。
C11の重量はC53の約半分ですので、牽引力も約半分と想定していたのですが、信じられないような値が出ました。
(2)踏面のめっき
元のC11の動輪の踏面は黒ニッケルめっきが施されています。
今回加工した動輪にも薄く黒ニッケルめっきを施しましたが、できるだけ対等な比較になるようにどちらの踏面も2000番のサンドペーパでめっきを除去して測定しました。
元の動輪の踏面のめっき有無で牽引力に差が認められます。
(3)踏面形状による牽引力の違い
これが今回の主目的ですが元の踏面角0°と円弧踏面とで想定以上の差が出ました。
あまりにも牽引力が出過ぎたせいか、動輪の抜き差しを何度かしたせいか分かりませんが、踏面を切削した第2動輪が測定中に車軸から抜けてしまいました。
(4)静止摩擦から動摩擦への変化点
牽引力のデータではあまりよく分からないのですが、測定中の電流の変化を見ていたところ、スリップし出すところで電流が減ります。
C11の踏面0°の場合、約130mA流れていたものが約90mAに減少しました。モータの電流はトルクに比例するはずなので、静止摩擦は動摩擦の約1.4倍位あるのかなと推測されます。
(5)消費電流
12V印加時の電流は、C11踏面0°:約130mA、C11円弧踏面:約200mA、C53:約50mAでした。
モータはC11:IMONコアレス:トルク定数11.8 mNm/A、C53:maxon RE-16:トルク定数13.9mNm/Aです。
トルク定数はほとんど変わらないのですが、牽引力あたりの電流はC53の方が圧倒的に少なくなっています。
すなわち、C53の方が伝達効率に優れていると言えると思います。

今回の測定結果が幻で無ければ、このC11の牽引力の秘密を解析できれば、機関車の重量をあまり増やさずに強力な機関車が作れるかもしれません。

posted by よしひろ at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 輪軸

2021年10月28日

ピボット軸の比較4

ピボット先端がR0.1の球状になっている輪軸と、ピボット先端を尖らせた輪軸で牽引負荷を測定しました。
今回は、試験の都合上(3軸台車の輪軸取り替えに手間がかかる)、2軸客車のみ7輛で測定しています。
ピボット先端違い_比較.png
R732曲線、直線共にピボットの先端を尖らせた方が負荷が少なくなりました。
ピボット先端がR0.1のものと比べ約1割強小さくなっています。
直線に比べて曲線では差が少なくなっています。
横圧とかの永久があるのでしょうか。
R732曲線_ピボット先端違い.png
R732曲線でのデータです。
移動平均でグラフを表示しています・
どちらも走らせ続けていると負荷が大きくなりますが、その差は変わりません。
直線_ピボット先端違い.png
直線でのデータです。
都合により測定距離は約1.5mと短いためデータ量は少なめです。
線路を敷いている床面の勾配を考慮し行きと帰りで測定しています。
太い線は移動平均、細い線は、往復3回ずつ測定した6つの個々のデータの平均値を表示しています。
  • 先端を尖らせたピボット:約0.4%で動き出し
  • 先端がR0.1のピボット:約0.5%で動き出し
ました。
今回のデータでは、平均値では重量比で
  • 先端を尖らせたピボット:0.51%
  • 先端がR0.1のピボット:0.65%
となっています。
データの小さい値のところでは約0.4%、約0.5%となっていますので、傾斜で転がす試験とほぼ同じ結果と考えられます。
R732曲線負荷_比較2.png
このデータは前に出したものと元データは同じです。
このデータでは、先端がR0.1のピボットを使用しています。
重量比では、
  • 洋白円錐踏面:1.47%
  • 洋白円弧踏面:0.98%
  • ステンレス円弧踏面:1.13%
でした。
今回の結果は、洋白円弧踏面で、
  • R0.1ピボット:0.94%
  • 尖らせたピボット:0.83%
でした。
3軸台車の有無等条件違いもあり、若干誤差はありますが、洋白円弧踏面,先端R0.1ピボットの条件で前回とほぼ同じ結果が得られています。
この結果から、ピボット先端を尖らせ、円錐踏面から円弧踏面にすることによって、計算上は約1/1.7に負荷を減らせることになります。

posted by よしひろ at 22:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 輪軸

2021年10月24日

ピボット先端の加工

ピボット先端を尖らせるのにヤトイを作って輪軸を固定し、ドリルレースのごとく鑢で削っています。
バイトではまともに加工できません。
 
撮影は左手にカメラを持ってモニタを見ながら加工をしているのでうまくできていません。
実際の加工時は、拡大鏡越しに現物を見ながら加工しています。
鑢での加工後、砥石で研磨しています。
やすり.jpg 
使用している鑢です。
できるだけ加工面が荒れないようにバローベの一番細かい目のものを使用しています。
目のサイズは、G10と書かれています。
 やすり表面.jpg
使用した鑢の表面です。
下半分は鑢の元の表面の状態です。
上が削った跡が付いています。
一般的な鑢の目はなく、ランダムで非常に細かなな凹凸が付いています。
posted by よしひろ at 23:45| Comment(3) | TrackBack(0) | 輪軸

ピボット軸の比較

先日のコメントで、
「軸端が尖っていても、その先端のR0.1の部分で接しているのでは無く、もう少し太い部分で接触している可能性が有りそうですね。」
とありましたので、軸受の断面と先端を尖らせたピボットの組み合わせで写真を撮影してみました。
車軸あたり.jpg
台車に輪軸を入れると、横方向に0.1mm程度のがたがあります。
軸受先端から写真の程度の隙間があるものと思われます。
がたを完全に無くすと、輪軸が回らなくなりますので、実用上はこの程度のがたは必要と思います。
写真で見る限りでは、かなり先端の方の細い部分で軸受に接触していると思われます。
posted by よしひろ at 14:05| Comment(2) | TrackBack(0) | 輪軸

2021年10月22日

ピボット軸の比較

先端を尖らせたピボットと約R0.1の先端のピボットでの比較を再度行いました。
前回は、徐々に傾きを大きくして行きましたが、今回は、あらかじめ傾きを作ったところに車輛を置いて、動き始めるか確認しました。
 
線路の傾きは線路の端下に丸棒を置いて実現しています。
線路は1m(1000mm)あり、直径2.0の棒を入れると約0.2%の傾きのはずですが、測定すると0.3%と表示されます。
線路の下には四角のアルミパイプが付いていますが、若干たわむようです。
線路の傾きはiPhnoeで測定していますが、はたして水平に近い傾きでセンサーの精度がどれほどなのか疑問でもあります。
できれば、0.25%以下の分解能のある傾斜計が欲しいところです。(数千円のデジタル傾斜計ですと精度は±0.2°(傾きで0.3%位)とかで、もっと精度の良いものですと20万円以上します)
車輛が乗ると0.1%傾きの表示が大きくなることもありました。
先端を尖らせたピボットでは0.3%では動き出さす、0.4%で動き出しました。
約R0.1の先端のピボットでは0.4%ほんのわずかに動くもののすぐに止まります。
0.5〜0.6%になると動き出します。
やはり、先端を尖らせた方が回転負荷は少ないようです。
posted by よしひろ at 22:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 輪軸

輪軸の転がり

ピボットの先端を尖らせても、R0.1ほどの曲面があっても車輛が動き出す勾配は殆ど変わりませんでした。
ならば、輪軸単体ならどの程度の勾配で転がり出すのか確認しました。
 
なかなかうまくいきませんでした。
車輪とレールが水平になっていないのか、動き始める勾配が1%を超えることも多くありました。
この試験では、0.5%程度が最も小さな勾配で動き始めました。
前回の試験でも台車に取り付けた状態で0.5%程度が最も小さな勾配でしたので、ピボット先端の回転負荷は全体から見るとほぼ0に近い状態になっているのではないかと推定します。
もっと小さな勾配で動き出すためには、輪軸・車輪自体の精度とレール上面の平滑性をもっと上げる必要があるのではないかと思いました。
posted by よしひろ at 16:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 輪軸

ピボット軸の比較

2021年10月10日のこのblogで曲線を走らせた時、先端の尖ったピボットの方が牽引負荷が大きそうだということになっていました。
本当はどうなのかを確認するために、先端を尖らせてみました。
ピボット先端.jpg
左が先端が約R0.1のピボット、
右が先端を尖らせたピボットです。
ピボットの先端形状以外は全く同一仕様の輪軸です。
 
線路を傾けて動き始める傾きを調べてみました。
どちらも0.5%〜0.7%動き始めます。
直線においては殆ど差は無いようです。
posted by よしひろ at 00:43| Comment(3) | TrackBack(0) | 輪軸

2021年10月16日

輪軸摩擦負荷試験

牽引負荷試験(輪軸違い)での輪軸を使用して、輪軸を回転させずに牽引した際の負荷を測定してみました。
レールと車輪踏面との形状違い、材質違いによる摩擦の比較です。
摩擦負荷試験.jpg
以前に踏面角と牽引力の試験で使用したアルミの角パイプにフレキシブル線路を敷いた線路にて試験を行いました。
1mの短い線路ですので、少ししか走らせることができません。
牽引される客車には100gの錘を乗せ、合計203gとなっています。
レールの頭は、試験前に5000番のサンドペーパで磨いてピカピカにし、その後拭き掃除を行いました。
輪軸摩擦負荷.png
各輪軸で3回測定し、各データの平均値をグラフ化してあります。
結果として、踏面の円錐/円弧の違い、踏面の洋白/ステンレスの違いにかかわらずほぼ同じデータとなりました。
ここでも、一般に言われているステンレスの摩擦係数は小さいということは測定結果から見いだすことはできませんでした。
posted by よしひろ at 16:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 輪軸

2021年10月12日

軸受形状

牽引負荷測定に使用している台車の軸受形状を確認してみました。
軸受.jpg軸受は、t0.4の燐青銅板にプレスで作製しています。
模型車輛製作等で使用されるリベット打出しと同じ要領です。
リベット打出しと比べると、押し出す深さや直径が大きいことが異なります。
写真でも分かるように、軸受の先端は板厚が非常に薄くなっています。
最初は、ポンチの先端をできるだけ尖らせたのですが、どうしても貫通してしまいました。
現在使用しているポンチは、先端を丸めてあります。
写真の通り、軸受側の先端の丸みと車軸側の先端の丸みがほぼ同じ径になっています。
軸受の穴をドリルやカッター等で加工し、軸受先端を尖らせて好結果をえられている例もあります。
軸受の先はもっと尖っているのが良いのか、それとももっと緩いRで良いのか、現状は判断できません。
どなたか、ご存知の方はコメントをいただけないでしょうか。
posted by よしひろ at 11:51| Comment(1) | TrackBack(0) | 輪軸

2021年10月11日

ピボット軸

3月の牽引負荷データとの比較で、同じ車輪でも3月に測定した輪軸の方が牽引負荷が小さかったので、車軸のピボットが優れていると推定しました。
そこで、ピボット先端の形状を比較してみました。
軸端.jpg
左(黒い方)が3月に測定した輪軸の軸端、右が10月に測定した輪軸の軸端です。
これを見る限り、さほど差は無さそうですが、左の方が先端の球の半径がわずかに大きいようにも見えます。
単なる測定誤差でしょうか。
それとも、材質の違い(左:鋼、右:ステンレス)の影響でしょうか。
難しいですね。
 
 軸端2.jpg
 こちらは、左が最も牽引負荷の大きかった輪軸の軸端、
右が右が10月に測定した輪軸の軸端です。
左のピボット軸端が最も尖っていますが、負荷は少なくなっていません。
あまり尖らすのも良くないのでしょうか。
ピボット先端はある程度丸くしてある方が負荷は少ないのでしょうか。

posted by よしひろ at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 輪軸

2021年10月10日

牽引負荷比較

本年3月に実施した牽引試験のデータとも比較してみました。
牽引負荷の先頭から1000番目のデータまでの平均値で比較しています。
R732曲線負荷_比較.png3月のデータ取得時は客車6輛、今回は10輛で計測していますので、1輛あたりの牽引負荷としてグラフを作成しました。
なお、1輛毎の重量が異なるため、3月のデータには、重量分の補正をしてあります。
輪軸1、輪軸2、輪軸3は今回の測定、旧輪軸、新輪軸は3月の測定です。
輪軸1と、旧輪軸の車輪は同じで、車軸が異なります。
この結果から、旧輪軸のピボット軸の方が優れていると推定されます。
新輪軸は、ステンレス円弧踏面ですが、今回の円弧踏面とは微妙に形状が異なりますが、どうもピボット軸の出来が良くなさそうな感じです。
牽引負荷を減少させるには、踏面形状と共にピボット軸の形状も検討が必要かもしれません。
ただ、図面上はもっと先を尖らしているのですが、軸を作ってもらう工場からは、作れないとか、運搬等で先が曲がってしまうとかで制限がかかってしまい思うようなものが作れていないのが実情です。
posted by よしひろ at 23:48| Comment(3) | TrackBack(0) | 輪軸

2021年10月09日

試験用輪軸踏面

試験で使用した輪軸の踏面を撮影してみました。
輪軸は、試験の度に取り外し、次に取り付ける時は元の台車ではなく、ランダムに取り付けています。
曲線を走る台車はアタック角により、輪軸は一方向に押えられますが、できるだけ双方の方向でレールの上を走る機会があるようにしました。
踏面.jpg左から輪軸1(洋白円錐踏面)、輪軸2(洋白円弧踏面)、輪軸3(ステンレス円弧踏面)です。
輪軸1は踏面全体にフィレットの近くまで走行痕があり、よく見ると上下に2つ走行痕があります。
輪軸2と輪軸3は輪軸1に比べると走行痕が細くなっています。
輪軸3の方が輪軸2よりも若干走行痕は細いようです。
走行痕が細い方がレールと接触する振れ幅が小さいと考えられますので、走行時の輪軸の左右動が少なく安定して走るのではないかと推察されます。
また、輪軸2と輪軸3の走行痕はフィレットの位置よりも少し外側であるため、フランジがレールに接触する確率も小さくなるのではないかと思われます。
こういった点でも、円錐踏面より円弧踏面の方が走行に有利ではないかと考えられます。
posted by よしひろ at 16:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 輪軸

2021年10月06日

牽引負荷試験(輪軸違い)2

3種類の輪軸で牽引負荷がどうなるのか測定してみました。
この測定データが正しければ、
  • 従来の円錐踏面よりも円弧踏面の方が牽引負荷は少なくなる
  • ステンレスタイヤは必ずしも洋白タイヤよりも牽引負荷が少なくなるとは言えない
という結論になると思います。
R732曲線負荷_回数.png
各輪軸での牽引負荷測定データを開始からデータ1000個分(約10分)の平均をグラフにしてみたものです。
輪軸1(洋白円錐踏面)の負荷が最も大きく、次いで輪軸2(ステンレス円弧踏面)、輪軸3(洋白円弧踏面)の順となりました。

できるだけ同条件となるように整備した上で試験を行っているつもりですが、測定データのばらつきが結構あります。
できれば同時に数多く測定したいところですが、1軸分の測定に1時間、輪軸の取り替えや整備等準備に1時間半程度かかり、1日で3種類を1回だけ測定するのがやっとです。
(試験中に計測器の電池切れになり、最初の準備からやり直しというのも何度かありました)
そのため、各軸の測定を行った日は違っており、時刻、温度や湿度等試験環境も異なっています。
輪軸は測定が終わると、台車から取り外し→パーツクリーナで洗浄→踏面の拭き掃除を行い、試験前にはレールの拭き掃除を行っています。
ただ、最初の測定では踏面を拭いておらず、そのために負荷が大きかったのではないかと推定しています。(ステンレスタイヤだけは一度も線路に乗せたことの無い、完全な新品でした)
R732曲線負荷_時間.png
素のデータをそのままグラフ化すると見づらいので、牽引負荷試験の後ろ3回の各データ毎の平均をとって、その移動平均をグラフにしています。
各輪軸での牽引負荷および時間経過が分かると思います。
以前の試験では、ステンレス円弧踏面のタイヤで、長時間走行時の負荷増加が大きくなっていました。
今回の結果では、タイヤの材質によらず、円弧踏面の方が円錐踏面よりも長時間走行時の負荷増加が大きいという結果になりました。

なお、以前の試験と同様、何れの輪軸もフランジがレールに当たっている痕跡はありませんでした。

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2021年10月02日

牽引負荷試験(輪軸違い)

既に客車に輪軸2を取り付けてあったので、それを用いて負荷試験を実施しました。
前回の試験と同様に、試験時間が経過するにつれ、レールが汚れることで負荷が増えるようでしたので、機関車の次にレールクリーニングカーを連結して再度試験を行ってみました。
1回につき1時間弱走行させ計測しています。
輪軸2.png
連続して同じところを走らせていると牽引負荷が大きくなっていきます。
レールクリーニングカーでレールの汚れを走行中に拭き取ると効果はあるようです。
レールクリーニングカーにはリグロインを入れてレールを拭いています。
データの3000回目以降で急に負荷が下がっている理由は不明です。
 試験の様子です。
通常の牽引負荷測定映像に続き、レールクリーニングカーを連結した映像があります。
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2021年09月30日

試験用輪軸

結局、今回の試験に使用する輪軸は3種類作製しました。
前回の牽引負荷試験では、既にあるものを使用したため、複数の条件が異なっていましたが、今回はできるだけ条件が異なるのは一つだけになるようにしました。
但し、時間的、経済的理由により条件の違いは完全ではありません。

試験用輪軸.jpg左から輪軸1、輪軸2、輪軸3とします。
以下の条件違いとなります。
条件輪軸1輪軸2輪軸3
踏面形状円錐円弧
タイヤ材質洋白 ステンレス
※車軸は全て同じ図面で同じ外注先による同じロットのものを使用しています。
※踏面形状は円錐と円弧に分類してありますが、それ以外にフィレット半径(円錐:R0.25 円弧:R0.275)、フランジ形状も異なります。
※輪軸1、輪軸2は黒ニッケルめっきが施されていますが、ある程度走行するとめっきが取れて金属地肌が出てくるため、めっきの有無は条件の違いとはしていません。
※輪軸1と輪軸2の洋白は同じメーカ製とは限りませんので、微妙な違いがあると思われますが今回は無視します。
※円弧踏面は同じ図面ですが洋白とステンレスで加工依頼先が異なり、微妙な違いがあると思われますが今回は無視します。
※輪軸は1軸毎に誤差がありますので、今回は10輛46軸を使用した試験とし、それぞれの誤差による影響が測定値としては平均化されることを期待しています。
posted by よしひろ at 15:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 輪軸