2025年03月16日

動輪輪芯加工寸法確認

切削した輪芯の外径を確認しています。
輪芯とマイクロメータを水平に保つのが難しいです。
この映像の寸法表示が正しければこの輪芯は正円ではなく、4μmほど歪んでいるようです。
posted by よしひろ at 18:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 蒸気機関車製作

動輪輪芯加工

C53の動輪を作ろうと、ロストワックスの動輪輪芯の外径を加工しています。
このような治具で加工しています。
外径切削治具.jpg
治具をチャッキングした後に、中央の軸を輪芯の軸穴径に合わせて切削してあります。
これによって、中央の軸の振れができるだけ少なくなるようにしています。
横に刺さっている燐青銅製の線は切削時に輪芯が回転するのを防止するためのものです。

加工する輪芯を取り付け、押え治具を回転センタで押えます。
外径切削治具2.jpg
輪芯は事前に軸穴を加工し、リーマ仕上げをしてあります。
最終的な軸穴は、タイヤを圧入した後に所定の寸法に仕上げます。
写真の輪芯は、一度非絶縁側用に加工したものですが、ロストワックスに偏心があり加工しきれなかったので、絶縁分直径の小さい絶縁側輪芯として加工しています。

加工面です。

輪芯切削痕.jpg
目標はつるつるの仕上げなのですが、残念ながら切削痕が残ってしまっています。
タイヤに入れやすくするため、輪芯の先は少し細くしてあります。
目標精度としては、+0.01mmなのですが、なかなか目標通りにはできません。
+0.005〜+0.025mm位になっています。
posted by よしひろ at 17:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 蒸気機関車製作

2025年03月02日

登坂試験

国際鉄道模型コンベンションにどこまで急な勾配を登れるかを競う「登坂コンテスト」というのがあります。
それに参加するにあたり、私の持っているがどの程度の坂を登れるのか確認してみました。
約24.5%の勾配はぎりぎり登れるようです。
ウェイト入の重いのとウェイトなしの軽いのとでは軽い方がわずかに勾配に強いように思えます。
それにしても歯車音が大きいにが気になります。
過去の登坂コンテストの優勝は30%以上の勾配を登っていますのでまだまだです。
ただ、急な勾配を登れるようにするにはどうすれば良いのか、よく分からないのですが、車輪とレールの摩擦係数が大きい方が良いだろうということで元のステンレスタイヤに鉄タイヤを履かせました。
もっと急勾配を登るにはどうすれば良いのかよく分かっていません。


タグ:勾配
posted by よしひろ at 01:32| Comment(0) | TrackBack(0) | その他

2025年02月27日

ボールベアリング3

ボールベアリングの振れを確認してみました。
小さなボールベアリングの振れを正確に測定できる測定設備がありませんので、簡易的な確認です。
外径3mm、内径1mmのボールベアリングに直径1mmのドリルロッドを挿し、直径2mmのパイプでボールベアリングの両側から旋盤で押えて内輪を固定しています。
ピックテスタをボールベアリングの外輪に当てて指でボールベアリングの外輪を回してどれ位ピックテスタの指針が振れるかの確認をしました。
日本のNSK製のものは指を振れている時は多少指針が動きますが、離した時にはほぼ1目盛内に収まります。
一方中国製のものは指を振れた時の指針の動きも大きいですし、離した時も数目盛のずれが確認されます。
このピックテスタの1目盛は2μmなので中国製のは10μm近い振れがあるのかもしれません。
所詮、指で外輪を回しているので測定としては疑問がありますが、簡易的な確認ということでお許し願いします。
明らかに日本のNSK製よりも中国製のは振れで劣っていると思いますが、実際のところ、鉄道模型に使用する程度では10μm程度の振れは実用上の問題はないかもしれません。
タグ:軸受
posted by よしひろ at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 部品

2025年02月26日

ボールベアリング2

中国製と日本の会社製のボールベアリングで形状が異なっているので、並べて写真を撮影してみました。
上のが中国製、下のが日本のNSK、NMB製です。
日本のにはボールが等間隔になるように保持器が取り付けられています。
中国製のはボールの数は多いですが、保持器がないのでボールが不均一に動きます。
保持器が無いと何らかの問題が生じそうなのですが、実際のところどうなんでしょうか。
ベアリングs.jpg
タグ:軸受
posted by よしひろ at 17:33| Comment(2) | TrackBack(0) | 部品

ボールベアリング

鉄道模型でボールベアリングに中国製を使わないことを推奨しているblogがありますが、本当に中国製ボールベアリングの品質は悪いのでしょうか。
私自身は個人的には日本製の確率が高いと推定されるNSK(もしくはISC:NSKマイクロプレシジョン)製を好んで使用しています。(十数年前に購入したNSKマイクロプレシジョンの箱にはMADE IN JAPANの記載があります)
私の持っている測定器でボールベアリングの評価をできるのは外径測定のみですので、とりあえず測定してみました。
なお、使用したマイクロメータは購入後一度も校正したことがないので、多少測定値がずれている可能性があります。
どれも外径3mm内径1mmのものです。
中国製はある方からいただいたもので、Aとbで別々に入手されたものです。
NSK製のは2019年に入手したもので生産国は不明ですが、NSKもしくはNSKマイクロプレシジョンは国内に生産工場がありますので日本製であることを期待しています。
NMB製のは容器に1992年の記載があり、MADE IN THAILANDと書かれています。
NMB製の方がNSK製よりも玉の数が多いですね。(NSKのは新しいのでコストダウンしたのか?)
中国製のは内外輪が太く、玉があまり見えません。
このサイズのボールベアリングの許容誤差は知らないのですが、中国製よりも日本のメーカ製の方が公称寸法の3mmに近いようです。
中国製のボールベアリングは、すべり軸受を作るよりもコストが安かったりするので、特に精度を要求されないものであれば選択肢としてありかなと思います。
中国製玉軸受_a.jpg中国製玉軸受_b.jpg
NSK製玉軸受s.jpgNMBタイ製玉軸受s.jpg
タグ:軸受
posted by よしひろ at 13:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 部品

2025年02月09日

歯車の駆動音

高効率ギヤは無音であると謳われていますが、特性測定時に何らかの音が聞こえていましたので、映像として撮影し、私の1条ウォームの音と比較してみました。
負荷をかけると無音のはずの高効率ギヤの方から何やら音が聞こえます。
私の1条ウォームも負荷をかけると音が大きくなりますが、それよりも大きく聞こえます。
映像では見えませんが、ギアボックスの裏側で出力軸を指で押えて負荷をかけています。
出力軸の回転数の違いは減速比の違いによるもので、入力のモータは同じものを使用しています。

録音はカメラ内蔵のマイクを使用しています。
ギアボックスを持つ指の大きさで分かると思いますが、高効率ギヤの方が大きいため、少し離れて撮影しています。(それに伴いマイクも離れています)
ナイロン製と推定されるギヤボックスに振動が反響しているのでしょうか。
それとも、私の組立方が悪いのでしょうか。
私の1条ウォームは都合によりカバーを付けていないので駆動音が直接カメラのマイクに伝わっていると思います。
タグ:効率 特性 歯車
posted by よしひろ at 17:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 部品

2025年02月05日

ウォームギア

以前にも少し書いていますが、動輪から回転可能(セルフロックが外れた)な1条ウォームを作るため、色々と製作してもらいました。
以下の写真のものを製作してもらいました。
ウォーム.jpg
C53(流線)を作るにあたり、2011年に作ってもらったのは1条の進み角10°のウォームです。
3条ウォームを作ってもらった会社に問い合わせたところ、製作可能なウォームの最小歯底径は1.5mmということでした。
モジュール0.4、歯底径1.5mmでウォームを作ると進み角は約10°になります。
セルフロックが外れる限界は10°のようですが、実際には動輪側からは回りません。

2015年に再度挑戦で細いウォームを作れる会社を探し、モジュール0.4、歯底径0.67mm、進み角20°のウォームを作ってもらいました。(@)
動輪側から回すことは可能でしたが、時々ひっかかりのようなものがあり、満足な出来ではありませんでした。
一旦、1条はあきらめて、2条で22.5°、25°、30°のウォームを作ってもらいました。
進み角が大きいこともあり、特に30°のは動輪側からの回転がスムーズでした。
写真で見ると、進み角の違いによるウォーム径の違いが分かります。
しかし、2条ゆえに減速比が稼げないため、実際に使うことはあきらめました。

2019年に3条ウォームを作ってもらった会社に再度問い合わせたところ、歯底径0.5mmで検討するとのことでしたので、製作を依頼しました。(A)
ウォームホイール側の形状も変えたこともあってか、動輪側からの回転も割とスムーズになりました。
ただ、ウォームが非常に細く、強度の不安があったので、材質を変更し、焼入を施したものをつくってもらいました。(B)
さらにもう少し強度を上げたく、歯幅を太くしたもの(C)を作ってもらいましたが、写真で見ると前のとあまり変らないように見えますね。

ウォームホイールは全てヘリカルギア(はすば歯車)として製作してもらっています。
進み角が大きいので、理屈上はヘリカルよりもスパイラルギア(ねじ歯車)の方が良いのではないかと思いますが、モジュールが小さいですし、スパイラルギアはややこしく高価そうなので、ヘリカルギアにして、できるだけ歯車の厚みを薄く(1.2〜1.4mm)しています。
実用上の差はほとんど無いのではないかと考えています。
posted by よしひろ at 00:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 部品

2025年02月02日

ウォーム歯形

高効率ギヤは効率向上のため特別な歯形で作られているそうなので、私の一条ウォームと比較してみました。
私にはどういったところが一般的な歯車と違うのか分かりませんでした。

まず、ウォームの比較です。(上が高効率ギヤ、下が私の一条です)
ウォーム比較_高効率vs一条.jpg
高効率ギヤの方が進み角は少し大きいようです。
歯の側面は鏡面になっていると思っていたのですが意外とそうでもないようです。

私の一条ウォームは歯形を特に指定していないので一般的なJIS K型で作られていると思われます。
歯底径が小さいので、強度確保のため少し歯厚を大きくしてもらっています。
等級も指定していませんので並級で作られていると思います。

次はウォームホイールです。(上が高効率ギヤ、下が私の一条です)
ホイール比較_高効率vs一条.jpg
多分、燐青銅と思われます。
正直なところ、私には通常のインボリュートとの歯形の違いがよく分かりません。
歯の側面は鏡面ではなく、切削痕のようなものが見えます。

私の一条用のは特に指定していないので通常のホブ切りと思われます。
但し、転位していますので、通常のインボリュートと若干形状が異なるかもしれません。
タグ:効率 特性 歯車
posted by よしひろ at 14:59| Comment(5) | TrackBack(0) | 部品

2025年01月12日

動輪から回転できる減速機の特性

動輪から回転できる減速機の特性についてデータを追加しました。
今回測定したのは私が図面を描いて作ってもらった三条、二条、一条のウォームギアです。
二条の進み角30°のものが効率70%程度で高効率ギヤに近い効率が測定されました。
一条と三条のは進み角が20°ですが、効率はどちらも60%程度でした。
動輪から回転可能減速機特性.png

当初から一条ウォームを作りたかったのですが、動輪から回転できる一条ウォームは非常に細く、どこに問い合わせても製作可能というところはありませんでした。
そこで、とりあえず、三条ウォームを作製しました。(2001年)
モジュール0.4、進み角20°、ウォームホイール32枚歯のものです。
動輪から回転できます。
三条なら進み角がある程度大きくても普通のウォームとして作ってもらえます。
2010年頃にスパイクモデルのコースティングギャー(二条、M0.4、進み角21°19')を参考に二条のウォームを作ってもらえないか何社にも問い合わせましたが、作れるところは見つかりませんでした。
2011年に、一条ウォームでできるだけ進み角の大きな(9.2°)ものを作ってもらいましたが、当然のことながら、動輪からの回転はできませんでした。
2015年に一条ウォームの進み角20°のものを作ってもらえましたが、設計通りの歯底径0.2mmではなく0.8mmで妥協しました。
これのウォームホイールは歯底径が大きくなった分、先端を短くしてもらいました。
実際に組んでみると、動輪側から回りはするものの、引っかかりが大きく使えませんでした。
二条なら歯数が多い分歯底径を小さくできると考え、進み角30°、歯底径0.6mmのウォームを作ったもらいました。(2018年)
2019年に一条ウォームで歯底径0.5mmのものを作ってくれるところが見つかりました。
ウォームの歯底径が大きい分、ウォームホイールの歯の径を転位で小さくする方法で作成し、良好な結果を得ることができました。
一条ウォームは本来の設計通りには作れていませんが、実用上問題なしとして使用しています。

ゆうえんこうじ氏のblogで私の二条ウォームを使われていることが書かれ、dda40x氏がそれについて言及されています。
ホイールの歯形に問題があるように書かれていますが、今回の測定での効率を見る限り気にするほどの影響は無さそうです。

私のウォームの測定結果を見ると進み角で効率が決まっているような感じです。
高効率ギヤは、多分、進み角は20°ちょっとと思うのですが(間違っていたら申し訳ありません)、この進み角で考えると、私のウォームよりも効率が良いですね。
効率を上げるために色々と工夫されているようですが、現物を目視しても私にはよく分かりませんでした。

なお、今回の測定においては全ての歯車に二硫化モリブデン入のオイルを塗布してあります。
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タグ:効率 特性 歯車
posted by よしひろ at 18:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 部品